近年、新しい詐欺被害の形として知られるようになったのが「ロマンス詐欺」です。
SNSや出会い系サイトを利用している人に多い詐欺ですが、ゲイアプリを利用している人の中にも「ロマンス詐欺」に遭う人が増えています。
ゲイアプリはゲイ同士をつなぐ出会いのツールとして高い人気がありますが、すでにゲイアプリを使っている人、これからゲイアプリを使う人は、「ロマンス詐欺」に騙されないように注意してください。
今回の記事では、ゲイアプリで流行している「ロマンス詐欺」の特徴や騙されない方法を紹介します。
ゲイアプリのロマンス詐欺とは?
ロマンス詐欺は、インターネット上の交流サイトで知り合った海外の相手を言葉巧みに騙して恋愛感情を利用して、金銭を送金させる振込詐欺の1つです。
コロナ渦をきっかけにロマンス詐欺の被害は増大しており、アメリカ連邦取引委員会によると2020年の被害額は3億円以上に上っていると言われていて、これは2016年の4倍以上の数字であり、ロマンス詐欺被害が深刻化しています。
ロマンス詐欺はネットのやり取りで相手を信頼させて、そのあとにお金を振り込ませるのが手口です。
一般的には女性をターゲットにして、SNSやメッセンジャーなどを使ってコンタクトを取ってくるのですが、ゲイアプリのユーザーが被害に遭うケースも急増しています。
ゲイアプリのユーザーがターゲットになる理由として、人には言えないセクシャリティの悩みを抱えていることがあります。
仮にロマンス詐欺で騙されてしまったとしても、ゲイアプリを使って騙されたと伝えることができる人はどれくらいいるでしょうか?
家族や友人に内緒で使っている人だと、ゲイアプリを使っていることが知られることにリスクがあり、さらに騙されたとなると誰にも言えない人も多いでしょう。
「自分はそんな詐欺に遭わない」と思っている人に限って、詐欺師の言葉巧みな誘惑に流されてしまいがちです。
自分だけは大丈夫と思わず、ロマンス詐欺の実態や騙されないための対策をしてからゲイアプリを利用することをおすすめします。
ゲイアプリのロマンス詐欺師の手口
ゲイアプリを利用しているのは基本的にゲイですが、ゲイであることを証明して登録しなければならないゲイアプリはありません。
一般人でも詐欺師でも情報を登録してしまえば、無料でゲイアプリを使っているユーザーとコンタクトを取ることができてしまいます。
このように誰でも気軽に交流できるというアプリの性質を悪用して騙してくる詐欺師も多いです。
ここでは、ゲイアプリのロマンス詐欺師の手口を紹介します。
連絡が頻繁に来る
ロマンス詐欺師の特徴として「連絡が頻繁に来る」ことです。
ゲイアプリを真面目に使っている人だと、タイプの人がいても「嫌われたらどうしよう」という気持ちが大きいので、しつこく連絡することができない人が多いと思います。
しかし、ロマンス詐欺師はマッチング相手を探すことが目的ではなく、お金を騙し取ることが目的なので、ガンガン連絡をして反応があった相手に的を絞っています。
連絡をしないことには詐欺する相手も見つからないため、少しでも反応があった相手に対してはここぞとばかりにアピールをしてきます。
強烈なアピール
「ロマンス詐欺」という言葉がつけられているように、ロマンス詐欺師は詐欺を行う上でストーリー性を意識しています。
最初のうちは相手の出方を伺っていることもあって、メッセージのやりとりも世間話がメインになっていますが、慣れてくるとストレートな言葉で好意を伝えてくるようになります。
相手に恋愛感情を抱かせ、相手が恋に落ちたら金銭の要求をしやすくなるためです。
これまで経験したことがないような外国人特有の強烈アピールを行い、被害に遭ってしまうゲイが多くいます。
中には電話でやりとりをして、半年から1年以上時間をかけて騙してくる詐欺師もいます。
お金を要求される
メッセージのやり取りだけではロマンス詐欺師か本気かどうか判断がつきにくいです。
実際に好きになったら猛アプローチしてくるユーザーもいるので、アピールだけで疑ってしまうのは申し訳ない気持ちもありますよね。
ロマンス詐欺師かどうかを判断する材料になるのが「金銭の要求」です。
本気の恋愛なら相手にお金を要求することはありません。
しかし、ロマンス詐欺師はお金を騙し取ることが目的なので最終的には金銭を要求してきます。
しかし、金銭を要求する頃には騙される側も完全に詐欺師を信用してしまっているため、それが詐欺であるかどうか気付くことができません。
詐欺師も騙せるタイミングでお金を要求してくるわけです。
振り込むと連絡が取れなくなる
ロマンス詐欺はいつまでも続くものではありません。
詐欺師は身バレするリスクもあるため、ターゲットから金銭をだまし取ったら関係を完全にシャットアウトします。
教えてもらった連絡先に連絡をしてもつながらず、相手の居場所も分からないことに気付いたとき、ロマンス詐欺に騙されたことに気付くのです。
ゲイアプリのロマンス詐欺師の特徴
ゲイアプリで騙されないためには、ロマンス詐欺師の特徴を知っておく必要があります。
ロマンス詐欺の特徴を把握しておけば「なんかおかしい」と感じたときに詐欺師と判断することができます。
ここではゲイアプリのロマンス詐欺師の特徴を3つ紹介します。
プロフィール写真が偽物
ロマンス詐欺師は、少しでも相手ユーザーに興味を持ってもらうためにゲイアプリではイケメン画像を使っているのが一般的です。
ロマンス詐欺師によって異なりますが、大半はネット上にあるイケメンの画像を勝手に使っています。
そのため、怪しい外国人からメッセージが届いたら、同じプロフィール画像がネットで流用してないか確認してみましょう。
同じ画像が多数出てきたら、その写真は本人ではないことになります。
画像の検索方法は次の通りです。
- Googleの画像検索を開く
- プロフィール画像をドラッグ&ドロップ、もしくは検索窓にあるカメラのアイコンをクリック
スマホの場合は相手のプロフィール画像を表示してから、ダウンロード(googleの画像検索)を開いてPC版サイトに切り替えます。
検索窓に現れたカメラアイコンをタップして保存した画像をアップロードしてください。
まずは画像を調べてみましょう。
プロフィールの文章が怪しい
ロマンス詐欺師は複数のゲイアプリや出会い系アプリを使って相手を探しています。
そのため、1つ1つのゲイアプリや出会い系アプリでプロフィール文章を作るのではなく、1つのプロフィール文章を複数アプリやサイトで使い回しているのが一般的です。
検索サイトにプロフィール文章を張り付けて検索し、他の人と同じプロフィールが出てきたときは詐欺の可能性が高いです。
また、相手に興味を持ってもらうためにプロフィール文章で職業を偽るケースも多いです。
たとえば、
- 米兵
- パイロット
- エンジニア
- 起業家
など、自由に会いに行けないような職業や給料や地位が高い職業などです。
他にも「複数の国をまたいだ生活をしている」「パートナーと死別した」などもロマンス詐欺師がよく使う手段になっています。
プロフィール文章を見て、少しでも怪しいと感じる場合は深入りしないように注意してください。
関係の発展を急ぐ
この人が好きだ!と思っているゲイは、その気持ちが強すぎることで結婚詐欺師に利用されてしまいます。
この人を逃してしまうと、もう次にいい人は現れないと思う気持ちが出てくるため、相手から「パートナーになろう」という言葉に流されてしまいます。
結婚詐欺師はより短い期間で相手からお金を騙し取ろうと考えています。
そのため、関係の発展を急ぐケースが多く、騙される方もぐいぐい来る態度についつい流されてしまいがちです。
相手が関係の発展を急いでいるようなら、それに流されるのではなく相手を焦らしてみるのも対策になります。
相手を焦らすと、あの手この手を使って関係の発展を急かしてきます。
たとえば「プレゼント」だったり、「家族に紹介したい」だったり、などです。
関係の発展を急ぐ相手には注意してください。
ロマンス詐欺に騙されてしまったときの対策
ロマンス詐欺師に騙されてお金を払っても戻ってくる可能性は低いです。
しかし、場合によっては状況が変わることもあります。
また同じような被害者を出さないための対策も必要で、ロマンス詐欺に騙されてしまったときの対策を紹介します。
警察に相談
ロマンス詐欺に遭った場合、まずは最寄りの警察署に被害届を出します。
外国在住の人による犯罪なら日本の警察で対応してもらうことはできませんが、中には日本に住んでいる外国人や日本人が外国人を装っているケースもあります。
このようなケースなら、警察も対応してくれます。
被害届を出すときは、
- 被害者の情報
- 被害に遭った年月日時
- 被害に遭った場所
- 被害の程度
- 被害金額
- 詐欺師の情報
などの情報が必要になります。
分かる範囲でいいので、まずは上記の情報をまとめて警察に相談してください。
被害者同士で情報共有
ロマンス詐欺に遭った場合、被害者同士できちんと情報共有することが大切です。
ロマンス詐欺は犯罪組織グループが行っているケースも多く、同時期に被害が急増することも多々あります。
インターネットでロマンス詐欺に関する情報を自ら発信し、他に自分と同じように被害に遭っている人がいれば情報共有しましょう。
情報の共有ができれば、その中から犯人を特定できる内容につながるかもしれません。
まとめ
ゲイアプリは気軽に出会える便利なツールですが、国際ロマンス詐欺のように油断していると騙されるリスクがあります。
ロマンス詐欺に騙されないためにも、ロマンス詐欺師の特徴を知り、必要以上に相手を過信しないように注意しましょう。